10.07.2012

Musical Fidelity V-DAC II

PCオーディオとかハイレゾ・オーディオとか、一部のコアなオーディオマニアの間で密かなブームとなっています。2000年あたりから、各メーカーでSA-CDとかDVD-Audioとかが熾烈な争いをしていましたが、この頃はイマイチ盛り上がりに欠けていました。結局SA-CDに軍配が上がったものの、その後も大きな盛り上がりを見せること無く今に至っているのですが、現在のこのムーヴメントは本物だと思います。

そして僕も遂にその一歩となる、DAC (Digital Analog Converter)なるものを買ってしまいました。半年くらい前からいろいろと物色していたものの、これといって心揺さぶられるものがなく迷っていたのですが、たまたまMusical Fidelityと言うかつて僕が所有していた大好きなプリメイン・アンプのメーカーから、安価なDACが出ていることを知り、日本未発売ながらも、これまた自身初のヤフオク経由で買ってしまいました。

Musical Fidelity V-DAC II
Musical Fidelity V-DAC II

自宅に届いて早速試聴。とは言え、僕が持っているPCオーディオ用のハイレゾデータは、キース・ジャレットのケルン・コンサート、ポール・マッカートニーのバンド・オン・ザ・ラン、スティーリー・ダンのガウチョ、ドナルド・フェイゲンのナイトフライの4作品のみ。 

これを僕の持っているオーディオとMac経由で音を出してみます。改めてここに関わる僕のオーディオ環境を整理すると、
  • アンプ:Marantz PM-14SA
  • CDプレイヤー:TEAC VRDS-25
  • スピーカー:ELAC BS203A Anniversary Edition
  • スピーカー・ケーブル:BELDEN STUDIO 727MK2, 718MK2
  • 再生パソコン:MacBook Pro 2.53GHz Core i5 / 4GB mem / 500GB HDD
  • 再生ソフト:Audirvana Plus
  • DAC:Musical Fidelity V-DAC II
  • 光ケーブル:ソニー製
てな感じです。

一つ一つレビューしてもいいのだが、文章が長くなりすぎてしまうので、いくつか気づいた点を。

 ・キース・ジャレットのケルン・コンサートに顕著なのは、いつもこの作品はピアノの音がキンキンして聴こえていたのに、実にまろやかに太く聴こえること。最後コンサートが終了した時の拍手の音も全然違う。キースが両手でダーンってピアノの鍵盤を叩いた時のピアノの音がちゃんと表現されていること。

 ・ポール・マッカートニーのバンド・オン・ザ・ランは、Deluxe Box Setを買ったので24bit/96Khzのコンプのかかった音とコンプ無しの音、そして通常CDの音と3つが手元にある。きちんとその3つを聴き比べるまでに至っていないのもの、明らかにコンプ無しの24bitは自然な音に聴こえる。が、そういう音に刺激がないのも事実。この辺りの詳細はまた今度。

・スティーリー・ダンのガウチョもまた音が全然違う。リヴァーヴのかかり方が違うってことはそもそもマスターが違うのかも?リマスター盤のCDも頑張ってはいるもののいっぱいいっぱいな感じで、24bit/96Khzの余裕のある感じにはどうやっても敵わない。

 ・ドナルド・フェイゲンのナイトフライだけは、元々が80年台初期の16bitでのデジタル録音のせいか、どうにもこうにも。そもそも音が細いので、これ以上はどうにもならないのかも。

という訳で、次にCDプレイヤーのデジタル・アウトをこのV-DAC IIに繋いで、CDプレイヤーのDACを通さずに、V-DAC IIのDAC経由でCDの音を聴いてみます。TEAC VRDS-25は1996年くらいに購入したCDプレイヤーですが、20ビットサンプリングを売りにしていて硬めではあるもの、バランス出力も持っているため、ビシッと締まったガッツのある音を聴かせてくれます。

何枚か聴いてみた感想。音に立体感が出る。倍音が重なるような音、コーラスが幾重にも重なるような音の場合はその聴こえ方が顕著に変わります。ビートルズ「LOVE」の冒頭にある<Because>のコーラス部分、驚きでした。

今回、試聴したのはOptical出力からの光ケーブルによるもの。ハイレゾ・オーディオの先輩に言わせると、光ケーブルは音が細く、USBがオススメらしい。USBのオーディオ・グレードのものは未だ持っていないので、いくつか物色した上で、また試聴報告をしたいと思います。光なのかUSBなのか、はたまた同軸なのか、ケーブル選定ががある程度定まったら、次はパソコン側の再生環境を専用機化すべく改めて整えて行こうかと。

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